塩江レシピ
ふだんの食事や行事の際によく提供されるメニューを
家庭でも再現しやすいように作成したものです。 塩江地域のその時期の新鮮な食材を
おいしく食べる知恵と工夫が感じられる、そんなメニューをご自宅で味わってみてください
材料は2人前を基本に、メニューによっては作りやすい分量で記載しています。材料、調味料の量は目安です。お好みで加減してください。
春
<山菜>
たけのこをはじめ、わらびやふきなど、山間地、塩江にもいろいろな山菜が登場する春。山菜はアクが強いので、できるだけ早く下処理するのがおいしくいただくポイントです。下処理した山菜を冷蔵保存、長期保存なら冷凍保存して、煮物や、天ぷら、おこわ、五目ずしなどに使います。
夏に塩江で食べた冷麺(冷やし中華)に、春に味付け冷凍保存していたたけのこがのっていたことがありました。季節の味覚を別の季節でも大切に味わう、塩江ならではの食体験でした。
代表的な山菜の下処理方法をご紹介しましょう。産地直売所などで山菜を買うなら、朝一番で。そしてすぐに下処理してください。
たけのこの下処理
- たけのこは根元の硬い部分を切り落とし、穂先は斜めに切り落とす。皮の繊維に沿って深さ2センチ程度、縦に1本切り込みを入れる。そのまま入る大きさの鍋に入れ、たっぷりの水、米ぬかひとつまみと鷹の爪1本を入れ、強火にかけ沸騰させる。
- 落し蓋をして吹きこぼれない程度に火を弱め、1時間〜2時間そのまま茹でる。火を止めたら煮汁に浸けたまま冷えるまで置く(半日程度)。
- 鍋から出してぬかを洗い流し、縦に切り込みを入れたところから指を入れて皮をむく。たけのこは使いやすい大きさに切って、水に浸けて冷蔵保存する。毎日水を替え5日程度もつ。
- すぐに使わない場合は、冷凍保存がおすすめ。食べやすい大きさに切って出汁や薄めの味付けで煮てから冷凍保存する。1カ月程度もつ。
わらびの下処理
- わらびは根元の硬い部分を切りそろえる。開いた穂先は食感が悪いので切り落とす。
- わらびが浸かるくらいの鍋にたっぷり湯を沸かし、重曹を入れて全体に溶かして火を止める。水と重曹の目安は水1.5リットルに重曹小さじ1。
- わらびを沈めて落し蓋をし、半日〜一晩浸けておく。
- 鍋の水を2−3回貼り替え、色が出なくなったら、全体を水に浸けたまま冷蔵保存。毎日水を替え1週間ほどもつ。食感は落ちるが、冷凍保存する場合は、ジッパー袋に入れ全体が浸かる程度に水を張って冷凍保存。2−3カ月もつ。
ふきの下処理
- ふきは茹でる鍋の直径に入る長さに切る。
- まな板の上にふきを並べて塩大さじ1を全体にかけて、板擦りする(手のひらでゴロゴロと転がしながら塩を揉む)。
- たっぷりの湯に(1)を入れて3〜5分茹で、冷水に取る。
- 切り口から繊維ごとつまんで皮をむく。水に浸けたまま冷蔵保存。毎日水を替え、4−5日もつ。冷凍する場合は水を切り、1回分の使用量を考えて小分けして冷凍保存。1カ月もつ。
山菜おこわ
刻んだ山菜をたっぷり入れたおこわ。地域の行事など人が集まるときに、2升3升とたくさん作って、大勢で食べることが多い一品。蒸して作る方法を記しますが、炊飯器の自動モードに「おこわ」があれば、より簡単に作ることができます。
材料(8人前)
もち米…4合
- 干し椎茸…3枚
山菜(わらび、ふき、たけのこ)…各100g程度
油揚げ…1枚
調味料…しょうゆ:大さじ4、日本酒:大さじ4、みりん:大さじ3、砂糖:大さじ2
作り方
- もち米は軽く研いで一晩水に浸ける。干し椎茸は水に浸けて戻しておく。戻し汁は出汁に加えるのでとっておく。
- 山菜、油揚げは1センチ程度に切り、調味料で煮ておく。もち米はざるにあげて水を切っておく。もち米に山菜、油揚げ、煮汁と混ぜておく。
- 蒸し器の湯を沸騰させる。蒸し器に絞った濡れ布巾を敷いて(2)を入れもち米を包むように布巾の角を蒸し器の内側に入れて、強火で*分蒸す。
- もち米を均等に蒸すために全体をしゃもじで返し、再び*分蒸す。蒸し上がったら全体をよく混ぜ、できあがり。
たけのことふきの天ぷら
山菜を出汁としょうゆで味付けした煮物は、日本の春の常備菜。塩江の煮物はしょうゆも砂糖もちょっと多めの濃い味、濃い色が一般的。それだけでおかずにもなるし、天ぷらにするとちょっとボリュームのあるおかずになります。
材料(2人前)
- たけのこ(中〜下部)の煮物…100〜130g
- ふきの煮物…100g
- 天ぷら粉…適宜
- 揚げ油…適宜
作り方
- たけのこ、ふきは煮汁を切っておく。
- てんぷら粉に記載された水分量を加えて溶き(1)をくぐらせ、油で揚げたらできあがり。煮物に味が付いているので、天つゆは不要。
たけのこの木の芽和え
木の芽和えは春を代表する一品。4月になるとどこの家でもたけのこ祭りのような毎日です。木の芽和えに使用する山椒は、敷地内に木があったり、あるいは山に入れば自生する木もあって、塩江では手に入りやすい食材。柔らかい若芽だけを摘んで使います。
材料(2人前)
- たけのこ(先端から中ほど)…下処理済み100〜130g
- 山椒の新芽…片手にひとつかみ
- 調味料…白みそ:大さじ2、みりん:大さじ1、砂糖:小さじ2
作り方
- たけのこは穂先だけ短冊切り、残りはさいの目切りにする。
- 山椒は茎から葉を取り、葉だけをすり鉢に入れ、すりこ木でペースト状になるまでよくする。
- (2)に調味料を加えてなめらかになるまでさらにする。
- (3)にたけのこを入れ、木の芽みそが全体に絡むように和える。
夏・秋
なす寿司
夏を代表する野菜「なす」。夏から秋にかけて、塩江の多くの家の庭先になすが連なります。「なす寿司」は、夏野菜のなすとじゃがいもを甘辛く炒めて酢飯に混ぜた、さっぱりまぜ寿司。同じ食材をいろいろな食べ方でおいしくいただく、知恵と工夫がつまった里山ならではのごちそうです。
材料(4人前)
- 米…2合
- なす…中3本(230g)
- じゃがいも…中1個(150g)
- にんじん…小1/3本(40g)
- 油揚げ…1/4枚
- 調味料A…砂糖:大さじ2、しょうゆ:大さじ1、みりん:大さじ1
- 調味料B…だし:100cc(浸る程度)、砂糖:大さじ2、しょうゆ:小さじ2
- 卵…1個
- 合わせ酢…砂糖:40g、酢:40g、塩:4g
- サラダ油…適宜
作り方
- 米を研いで少し固めに炊く。合わせ酢の調味料を鍋に合わせてひと煮立ちさせ、粗熱をとっておく。
- 卵は塩ひとつまみ(分量外)で味付けし、薄焼きにして錦糸卵にしておく。
- なす、皮をむいたじゃがいもは1センチの角切りにし、それぞれ10分程度水にさらしてアクぬきをし、ザルにとる。油揚げはお湯をかけて油抜きし、1センチ四方に切る。にんじんは大根突きで突いておく。
- フライパンにサラダ油大さじ1を入れ、なすを炒める。調味料Aを加えて炒め煮にし、容器に移しておく。
- フライパンをさっと洗い水気を拭き、サラダ油大さじ2を入れ、じゃがいもを加え、全体に油がまわるように炒める。にんじんも加えて炒める。調味料B、油揚げを加え、ふたをしてじゃがいもが柔らかくなるまで加熱する。ふたを外して鍋肌に広げ、水分をとばす。
- 寿司桶(はんぼ)酢(分量外)で濡らし、炊いた白飯を入れ、あおぎながら寿司酢を全体に合わせる。(4)と(5)を酢飯に混ぜ混み、さいごに錦糸卵をのせたらできあがり。
なすとじゃがいものみそ炒め
夏野菜のなすとじゃがいもをみそ炒めにした夏のお惣菜。冷めてもおいしい、「いにしによる」の藤川家オリジナル料理です。さいごに七味をかけて仕上げる甘辛いみそ味は、食欲が落ちる夏でもごはんがすすみます。
材料(4人前)
- なす…中2本
- じゃがいも…中2個
- 調味料…中みそ:大さじ1、砂糖:大さじ1/2、みりん:大さじ1/2、塩:ひとつまみ
- 七味…適宜
- サラダ油:適宜
作り方
- なすはたて4等分に切り、1センチの長さに切って、水にさらす。じゃがいもは皮をむいて1センチの角切りにし、水にさらす。
- フライパンに多めのサラダ油を入れ、少し固めの揚げ焼きにする。火が通ったらなすも加えて炒め、調味料を入れ、水大さじ2〜3も加えて全体に味をなじませる。ふたをして1、2分煮る。
- 水分をとばしたら、好みで七味を降り、全体をまぜたらできあがり。
秋・冬
大根のきんぴら
大根もまた、塩江の多くの庭先に生えているもの。いわゆる「切り干し大根」のような料理ですが、生の大根で作ります。大根突き(千突き)で突いて油で炒め、しょうゆとみりんで味付けしたものです。冬の常備菜。
材料(作りやすい量)
- 大根…中1/2本
- 油揚げ…1枚
- 調味料…みりん:大さじ3、しょうゆ:大さじ3、顆粒だしの素:大さじ1
- サラダ油…大さじ1
作り方
- 大根は皮をむいて大根突きで突く。油揚げは細切りにする。
- 鍋にサラダ油を入れて熱し、(1)を入れて軽くあおるように炒める。調味料を入れてふたをし、大根が透き通るまで加熱。焦がさないように気をつける。火が通ればできあがり。一晩おいて冷めてもおいしい。
いりこと突き大根のなます
突き大根の「突く」は、大根突きというスライサーを使って突くように細切りにしたもの。海が遠い塩江ではいりこ(煮干し)を酢締めにした生青魚の代用にしたのだそう。一度乾煎りしたいりこは、なますに和えるとしっとり柔らかく食べやすくなります。
材料(2人前)
- 大根…輪切り5センチ分
- にんじん…1/4本
- 調味料(甘酢)…砂糖:大さじ2、酢:大さじ2
- 塩…適宜
- いりこ(中羽)…2本
- ゆず果汁…適宜
作り方
- 大根、にんじんは千突きで細切りにし、塩小さじ1/2を振って軽くもみ、10〜15分おいて水分を出す。
- いりこは頭を取り、身を割って中骨を外し、乾煎りしておく。
- 酢と砂糖を混ぜて甘酢を作る。(1)を手で絞って余分な水分を切り、甘酢に浸す。ゆず果汁も適宜を加える。ここに乾煎りしたいりこも加え、水分でふやかしてやわらかくする。
- 器になますを盛り、いりこを上にのせたらできあがり。
おでん風
おでん風の「風」とは? 時間をかけて出汁で炊いたおでんではなく、一口サイズの小ぶりな具を短時間で煮たおでん。だからおでん「風」です。炊き合わせのように銘々の器に盛り、柚みそや辛子みそをつけて食べます。手早く作れて提供しやすい、塩江の冬の集まりでも人気のメニューです。
材料(作りやすい量 4人前)
- 里芋…4個
- 上天(天ぷら、揚げかまぼこ)…2枚
- 大根…輪切3センチ
- にんじん…輪切3センチ
- 油あげ…1枚
- こんにゃく…1枚
- その他おでん種お好みで
- こんぶ+かつお出汁…1リットル
- 調味料…しょうゆ:大さじ3、みりん:大さじ3、砂糖:小さじ2、塩:小さじ1/4
- 柚みそ…白みそ:50g、みりん:大さじ1、砂糖:大さじ2/3、柚果汁:大さじ1、柚皮すりおろし:小さじ1/2
作り方
- 具材のしたごしらえをする。材料は4つずつできるように切る。里芋は皮をむき、*確認***
上天と油あげ、こんにゃくは三角形になるように切る。こんにゃくは大根とにんじんは皮をむき、半分の厚さの輪切りにして、半月に切る。 - 出汁を沸かし、里芋、大根、こんにゃくを煮る。火が通ったら、残りの具材を入れ、調味料を入れて10分煮る。火を止めて味を含ませる。
- 柚みそを作る。鍋に白みそ、みりん、砂糖を入れて弱火で練りながら混ぜ合わせる。火を止め、柚皮のすりおろしと柚果汁を加えよく混ぜる。
- (2)を銘々の器に盛り、柚みそを添えてできあがり。
炭谷(ルビ:すみや)ごぼうの天ぷら
「炭谷ごぼう」とは塩江の山の奥、炭谷の集落で江戸時代から栽培され続けてきた、この地域の伝統野菜。山間部の傾斜地で時間をかけて栽培する手間や生産者の高齢化によって、平成の中頃に存続が危ぶまれましたが、塩江の特産品として継承する動きも出てきました。豊かな山里の土でゆっくり育つため、一般的なごぼうに比べて太く長く、柔らかな食感とごぼうの風味が豊かなのが特長です。炭谷ごぼうを使った料理は、塩江ならではのおもてなし料理です。
材料(作りやすい量 4人前)
- 炭谷ごぼう…1/2本
- 出汁:1カップ(ごぼうが浸かる量)
- 調味料…みりん:大さじ1、しょうゆ:大さじ1、砂糖:小さじ2
- てんぷら粉…適量
- 揚げ油…適量
作り方
- 炭谷ごぼうは皮をむかないように、たわしなどを使い、流水で土だけを洗い落とす。
- ごぼうは4−5センチの斜め切りにし、水にさらしてあく抜きをしてからザルにあげる。
- ごぼうを出汁で煮る。火がとおったら調味料を加えて5分煮て、火を止め、そのまま冷ます。冷めたら煮汁を切っておく。
- てんぷら粉に記載された水分量を加えて溶き(3)をくぐらせ、油で揚げたらできあがり。ごぼうに味が付いているので、天つゆは不要。
炭谷ごぼうの酢ごぼう
材料(作りやすい量)
- 炭谷ごぼう…1/2本
- 合わせ酢…酢:大さじ3、砂糖:大さじ3、塩:小さじ1/2
- すりごま…適宜
作り方
- 白く仕上げたいので、炭谷ごぼうは皮をむく。4センチの筒切りにしてから3ミリの短冊切りにし、水に浸けてあく抜きをする。
- 鍋に合わせ酢を合わせて火にかけひと煮立ちさせ、冷ましておく。
- (1)のごぼうをザルにあげ、水から茹でる。火が通ったら、ザルにあげて余分な水分を切り、温かいうちに(2)に浸けて味を含ませる。
- ボウルにすりごまを入れ、(3)のごぼうだけを和えたらできあがり。
ゆず寒天
塩江ではゆずを特産品にしようと、盛んに栽培された時代がありました。当時に比べると生産量は減りましたが、今でもゆず畑が点在しています。ゆず果汁をたっぷり使った寒天は、今も昔もさわやかな酸味が人気のおいしさです。
材料(作りやすい量)
- ゆず果汁…50cc
- ゆず皮すりおろし…小さじ1
- 砂糖…100g
- 粉寒天…4g
作り方
- 鍋に水350ccと粉寒天を入れて煮溶かす。火を止めて、砂糖を入れて溶かし、ゆず果汁も入れ、さいごにゆず皮の表面をすりおろして加え、型に流して冷蔵庫で冷やし固める。
- 食べやすい大きさに切って、器に盛る。
通年・卵吸いもん
ゆで卵がどどーんと丸ごと入った、見た目にもインパクト大!なお吸い物。徳島から塩江に嫁いだお母さんが持ち込んだそうです。丸ごと卵に合わせて、しいたけや青ネギも大胆な大きさで。固ゆでの卵はもちろんそのまま食べてもいいですが、箸で割って黄身を汁に溶くと、また違ったおいしさが楽しめます。
材料(2人前)
- 好みの出汁…360cc
- しいたけ(あれば原木)…2枚
- 茹で卵…2個
- 青ネギ…適宜
- 調味料…みりん:小さじ1、薄口しょうゆ:小さじ1/2、塩:ひとつまみ
作り方
- だしを温め、調味料を加える。
- ゆで卵は殻をむき、しいたけは軸を切り落として4等分にする、青ネギは3センチ幅の筒切りにする。
- (1)にゆで卵を入れて温め、しいたけ、青ネギの順に入れたらできあがり。
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